フロイデンベルグ・スパンウェブ・ジャパン(城福淳平社長)は、ドイツのFreudenberg Performance Materials(以下、フロイデンベルグ)が同社独自の細繊維不織布テクノロジーを活用することで、建築・フィルター向けなど幅広い用途で優れた機能を発揮する汎用性の高い革新的な細繊維スパンボンド(SB)不織布の開発に成功し、4月25日に世界同時発表したことを明らかにした。
新開発の細繊維SB不織布は、モノフィラメントまたは芯鞘フィラメントを使用し、さまざまなポリマーやブレンド材料を原料として製造。高い柔軟性と幅広いカスタマイズオプションにより、屋根用防水材や液体フィルター、さらには除湿製品や人工芝など、多様な市場・用途でメリットを発揮する。
フロイデンベルグのフレキシブルな製造工程により、高度なカスタマイズを実現するほか、PET、PE、またはPP100%組成での製造や、2~4dtexのモノフィラメント、またはバイコファイバーを使用することで、PET/PE、PET/coPET、PET/mPPなど各種の組合せが可能。目付は17gsm~140gsmの範囲で、フラットボンドやポイントシールによる熱接着で強力に接合される。これにより、優れた引張強度と引裂強度を備えた軽量なソリューションを可能とし、滑らかで高い均一性のある製品に仕上がっている。
建築分野では、屋根や外壁の基材、防湿材、住宅外壁用下地など各種の用途に適しており、同社の“Terbond”“Texbond”“Colback”など既存製品を補完するものとなる。強度が高く、なかでも市場が求める引裂強度に優れていることが特徴で、PET素材のものは耐UV(耐紫外線)性や耐熱性を備えている。 フィルター用途では、クーラントや潤滑剤向けの液体フィルターとして最適。細繊維技術を同社は“Filtura”ブランドとして展開している。この技術によって高効率で均一な表面を得ることができ、PET/PA不織布およびPET/PE不織布に新たな可能性をもたらす。また、軽量細繊維不織布は、ガラス繊維、ナノファイバー、活性炭向けの支持媒体用途でも保護層としての効果を発揮する。
一方、PET/PE細繊維不織布は、乾燥剤や除湿剤向けの包装用途としても最適。その優れた熱シール特性により、接着剤や追加の処理を必要としないことから、製袋生産を効率的かつ迅速に実現。高強度、高耐摩耗性、高耐久性があり、長寿命の乾燥剤袋の生産を可能にする。
さらに、コーティング分野では、加工効率の向上にも寄与する。化学的耐性が高く、熱安定性が高いことから、コーティング基材として使用することで滑らかで均一な表面により高品質のコーティング効果を得ることができる。ポリマー、繊維の種類、接着方法のさまざまな組み合わせによって、コーティングやラミネート用途向けに素材特性をカスタマイズすることが可能。非常に軽量でフラットボンド接着された製品はコールドワックス脱毛のコーティング基材として最適であり、高い強度と素材の柔軟性を得ることができる。
フロイデンベルグの細繊維技術は、農業用の作物カバーや装飾用途、その他の産業または消費者向け用途としても活躍している。