ニッケグループは、同社開発のゼラチン不織布“Genocel”(ジェノセル)の技術を応用することで、心筋細胞用に特化した創薬安全性評価用基材“Genocel Cardio Plate”(ジェノセル カーディオ プレート)の開発に成功し、2月20日より販売を開始した。
従来のゼラチン繊維不織布“Genocel”を心筋細胞用にカスタマイズし、さらに創薬安全性評価に向けて、細胞培養48wellプレートに配置した製品。柔軟なゼラチン繊維が心筋細胞により大きく変形することで、心筋細胞の動き(収縮挙動など)を顕微鏡などで簡易に検出できるようになる。また、ゼラチン繊維上で心筋細胞が一方向に配向していることから、実際のヒトの心筋細胞に近い構造を再現。1ヵ月以上、安定的に心筋細胞が拍動し、長期間培養や抗がん剤の影響評価など、苛酷な試験下でも剥離せず、評価することが可能。心筋細胞の収縮特性のほか、不整脈や構造変化、バイオマーカー検出など心機能に関係するさまざまな評価が可能であり、統合的な評価に使用することができる。
ニッケグループは、再生医療分野において戦略的な投資を行っており、グループの技術と知見を活かした連携により、製品創出に取り組んでいる。iPS細胞(人工多能性幹細胞)などの培養時に3次元足場材料として使用されている“Genocel”の技術をもとに開発した製品であり、ニッケ研究開発センターが研究開発を行い、京都医療設計が発売を担当する。