東レは、サウジアラビア王国のシュアイバ3海水淡水化プラントにおいて同社の逆浸透(RO)膜が採用された。同社グループの現地子会社であるToray Membrane Middle East LLC(略称「TMME」)を通じて供給を開始した。
同プラントは、人口増やインバウンド需要により水需要が高まっているサウジアラビアのメッカ、ジェッダ、タイフ、アルバハの各地域へ安定的に飲料水を供給するための重要な水ライフライン。日量60万m3の処理能力をもつ。エネルギー消費量が多く大量のCO2を排出する従来の蒸発法による海水淡水化施設を、最先端の逆浸透膜法により環境負荷を大幅に低減した淡水化プラントに変換する画期的なプロジェクト。また、稼働電力の65 MWp相当が専用太陽光発電システムによって賄われることになるため、その環境負荷削減効果はCO2排出量約4,500万t/年、原油使用量約2,200万バレル/年にのぼり、持続可能な開発と脱炭素化に向けたサウジ・ビジョン2030を体現した取組みの1つとなっている。
今回の採用は、サウジアラビア王国をはじめ中東地域での持続可能な水インフラ整備に貢献している先進的な膜技術を東レが長年提供してきたことが評価されたもの。東レは今後も当該地域の安定した水供給により一層貢献するため、販売品目の拡充や水処理技術サービス拠点(MEWTEC)を設立するなど、現地における販売・技術・生産体制を強化していく方針。