東レは、東麗膜科技(佛山)有限公司(以下、TMFC)ならびに東麗先端材料研究開発(中国)有限公司(以下、TARC)と共同で、産業廃水の再利用や下水処理に最適な逆浸透(RO)膜“TLF-400ULD”を開発したと発表した。
TLF-400ULDは、東レ独自の製膜技術と流路設計により、従来製品と比較して高い塩除去率を維持しながら、透水性および耐薬品性の向上を実現。さらに、汚れの堆積による差圧の上昇を大幅に抑制することに成功した。透水性を高めつつ、洗浄時の薬品に対する耐久性を従来比約2倍に向上させることで、膜の劣化による性能低下を抑制し、加えて、詰まりにくいエレメント構造の採用により、汚れの堆積を抑え薬品洗浄頻度削減にも貢献する。これらの特長により、運転エネルギーを約10%削減し、安定した長期運転を実現。運転管理の容易化に加え、膜の交換頻度の削減も期待できるとしている。
世界的に水資源の不足が深刻化するなか、幅広い原水に対応可能で効率的かつ環境負荷の少ない水処理技術へのニーズが高まっている。新製品は、運転効率と省エネルギー性を両立した次世代ソリューションとして、世界各地の水処理現場における省エネ・省資源利用の運転プロセスの構築に貢献していく。
とくに中国では、政府の「循環経済の発展に関する第14次5カ年規画」に基づき、水質汚染対策としての水処理膜の需要が一層拡大している。東レはTBMC、TMFC、TARCの3社を中心に、中国国内において研究から技術開発・生産・販売まで一貫した体制を整備。これら3社が連携し、現地のニーズに即した最適なソリューションを提供するとともに、世界各地に展開する東レ水処理グループとも協力し、本製品をはじめとする最先端の水処理膜技術と迅速で的確な技術サービスの提供を通じて、世界の水問題の解決に貢献していきたいとしている。
