帝人フロンティアは、タイヤコードやゴム製品補強材、シートベルトなどに使用される工業繊維向けの高強力リサイクルポリエステル長繊維の需要増に対応するため、ポリエステル繊維の製造・販売を展開するグループ会社の「テイジン・ポリエステル(タイランド)」(Teijin Polyester(Thailand)Limited、以下TPL)において同繊維の生産能力増強を決定した。2025年11月より増産を開始し、25年度の生産量は620tとなる見込み。
2023年に欧州ELV規則案が発表されるなど、資源循環に向けた強い要求を背景に、工業繊維用途でのリサイクルポリエステル長繊維の需要が高まっている。また、自動車など工業製品の安全性向上のため、高強力や難燃性などより機能性の高い産業資材向けポリエステル長繊維のニーズが拡大している。帝人フロンティアは、これらのニーズに対応する原糸をTPLで生産しているが、原糸生産の前工程設備の制約により、同じ設備で生産する工業繊維向けリサイクルポリエステル長繊維および産業資材向け機能性ポリエステル長繊維の増産が困難な状況にあった。そこで今回、工業繊維用途における高強力リサイクルポリエステル長繊維の需要増に対応するとともに、機能性ポリエステル長繊維の用途展開を拡大するため、前工程設備を改良し、これら原糸の増産を決定した。
