ユニチカは、同社の岡崎事業所(愛知県岡崎市)で手掛けるスパンボンド(SB)不織布事業をはじめ、ポリエステル関連の繊維・重合事業について、セーレンに売却することを決めた。今年8月初め頃までに最終契約を締結し、年内の手続き完了を目指す。売却額は非公表。
売却するのは、ポリエステル重合事業(日本エステルのポリエステル重合事業)、衣料繊維事業(日本エステルのフィラメント事業、ただしユニチカトレーディングの事業およびユニチカトレーディング子会社の事業を除く)、不織布事業(スパンボンド事業)、産業繊維事業(ユニチカおよび日本エステルのステープル・ファイバー事業、ユニチカのポリエステル高強力糸(ETY)事業、同ETY事業および合繊紡事業に関する外部委託加工事業)の4事業。
ユニチカは2024年11月に事業再生計画を公表し、祖業である繊維事業からの撤退を表明。他社への事業譲渡や生産移管に向けて、当該事業の特性などを考慮し複数の相手先と協議を進めていた。セーレンは2005年に取得した旧カネボウの繊維事業を再生させるなどのノウハウをもつ。ユニチカは、同社から提示された内容を慎重に精査し、同社が総合繊維業で培ってきた事業力ならびに技術力や事業運営上の各種ノウハウが当該譲渡対象事業の改善に活かされるとともに、同社およびグループ会社であるKBセーレンとの事業シナジー効果や、当該譲渡対象事業に関し雇用も含め全体での承継を前提とした内容であること、また、承継にともない供給網での混乱を最小限に収めることを期待し、同社への事業譲渡が最適と判断した。