日本製紙グループの日本製紙パピリアは、雑草の抑制や地温・土中水分の管理などに用いる農業用マルチシートにおいて、和紙の製造技術を応用し、“和紙マルチ”を開発。5月1日より販売を開始した。
“和紙マルチ”は、特殊紙の製造技術を用い、主原料に木材繊維(パルプ)と生分解性プラスチック繊維を使用しており、それぞれの特徴を活かした。これにより、通気性により地温上昇を抑制し、使用後に土にすきこむことで回収が不要となるなど、現在多く流通しているポリエチレン製マルチシートにはないメリットを有している。生分解性プラマークを取得(登録番号1366)しているので、安心して使うことができる。
同社の高知工場は土佐和紙の製造を源流にもち、その技術を発展させることで、さまざな分野へ展開する高機能・高付加価値型の特殊紙を製造している。“和紙マルチ”も和紙がもつ「軽い」「強い」「薄い」特徴を兼ね合わせている。最大の特徴は、生分解性プラスチック樹脂のみを用いていた従来の生分解性マルチシートでは難しかった長期保管が可能なこと。また、軽く薄いので運搬費用の抑制や設営作業の効率化も期待できる。