ユニチカは、福島や沖縄で行われている積水化学工業製フィルム型ペロブスカイト太陽電池の実証研究に自社の防草シートが採用されたと発表した。フィルム型ペロブスカイト太陽電池は、平地面積の少ないわが国において再生可能エネルギー導入量を拡大する有力な選択肢として期待されている発電システム。従来のシリコン系太陽電池では設置が難しいとされていた場所でも適用可能性が増すことから注目されている。
福島での実証実験は、積水化学工業が福島県双葉郡楢葉町にあるJヴィレッジにおいて、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の地面・法面への簡易設置方法確立を目的に実施しているもの。法面などに設置した際の防草機能や、長期安定的な固定方法の検討、ならびにペロブスカイト太陽電池の耐久性とマッチする長期性能の評価を行っている。ユニチカの防草シートは、その長期耐久性や、東日本大震災復旧時に土砂飛散の発生を防いだカバーシートとしての設置・施工技術などが評価され採用された。福島県Jヴィレッジ内の円すい形芝生法面に設置したユニチカ製防草シートのうえに積水化学製のペロブスカイト太陽電池を取り付けて、雑草がペロブスカイト太陽電池の発電を阻害しないことや、安定設置に必要な耐風性能などを検証する。フィルム型ペロブスカイト太陽電池が防草シートに設置されたのは国内でこれが初となる。
また、沖縄での実証実験は、積水化学工業および積水ソーラーフィルムならびに沖縄電力とユニチカの4社により、沖縄県宮古島市において3月18日から開始されている共同実証研究。台風や塩害による影響が大きい地点として同地が選ばれた。福島での実証と同様に、積水化学工業製フィルム型ペロブスカイト太陽電池をユニチカ製防草シートに設置して実施。防草シートに設置したフィルム型ペロブスカイト太陽電池に対する台風・塩害などによる影響評価や、簡易設置・施工方法の検証(施工時間4.5時間、強風対策に特殊アンカーを使用)などを行う。