東洋紡エムシーは、同社が製造販売する三次元網状繊維構造体“ブレスエアー”を用いたマットレスを、釧路市動物園(北海道釧路市)で飼育されているアムールトラの「ココア」(メス、16歳)が使用を始めたと伝えた。ブレスエアーを用いたマットレスがアムールトラに使用されたのは今回が初めて。
ココアは生まれつき両後ろ足に障害を抱えながらも、釧路市動物園飼育員による懸命な飼育・治療により、人間で言うと60代後半~70代という年齢まで過ごしてきた。しかし、加齢にともない障害のある後ろ足の動きが徐々に悪くなり、2024年末には後ろ足を使って歩行することが困難となり、寝て過ごすことが多くなった。また、歩く際は後ろ足を引き摺るため擦り傷ができ、尾から尻にかけて皮膚炎も起こしていた。
ココアの痛みを少しでも和らげようと、釧路市動物園から“ブレスエアー”に関する問い合わせを同社が受けたことから、2025年1月よりココアはブレスエアーを用いたマットレスの使用を開始。当初はマットレスを噛んだりして遊んでいたが、次第に敷物だと理解したのか、いまでは心地よさそうにマットレスのうえで横になったり食事をしたりしているという。